気になる
インタビュー
映画「高速道路家族」で主演 人気俳優チョン・イルが語る韓国映画の魅力

高速道路のサービスエリアで暮らすホームレス一家と、中古家具店を経営する夫婦との出会いから、家族の形を描いた韓国映画「高速道路家族」が、イオンシネマ港北ニュータウンなどで上映中だ。ホームレス一家の父親ギウ役で主演した人気俳優のチョン・イルは「忙しくて家族と過ごすことをおろそかにしていましたが、改めて家族について考えさせられました」と話す。
ギウは妻のジスク(キム・スルギ)と2人の子どもたちと、あちこちを放浪して暮らしている。忍び込んだ高速道路のサービスエリアではテントで寝泊まりし、「財布をなくしたのでガソリン代を貸してほしい」と偽っては利用客から金をだまし取っている。
時代劇では王族を演じ、現代劇でもスマートな役柄が多いチョン。薄汚れた身なりの父親役というこれまでに演じたことがない役柄に魅力を感じ、台本を受け取ってすぐに出演を決めたという。
チョンは「ギウは特に子どもたちとのスキンシップが多い父親だったので、あらかじめ子役たちと仲良くなってから撮影に臨んだ」といい、貧しくとも仲よく暮らす家族を演じた。

そんなギウ一家に支援の手を差し伸べるのが、家具店の社長ヨンソン(ラ・ミラン)だ。韓国を代表する演技派、ラとの共演に「存在感が大きく、安心感があった。主人公を演じるのは大きなプレッシャーだが、頼もしい先輩がいてくれてよかった」とほほ笑む。
ヨンソンは妊娠中のジスクと子どもたちを家具店に住まわせ、温かく面倒を見る。だが、ギウは金をだまし取っていた件で警察に捕まってしまう。
精神的に不安定なところがあるギウは、家族を取り戻したいとの思いに取りつかれ、予想もしない行動に出る。「ギウは感情の動きがとてもダイナミックな人物。イ・サンムン監督と何度も話し合い、どうしてこの場面でこの行動をとるのかなど、常に『なぜ』を考え、積み重ねていきました」と鬼気迫る表情のギウを創り上げた。
こうしたキャラクターの個性の強さや役柄への没入感の深さは、韓国映画の魅力になっているという。

「ハリウッド映画には見られない感情のタッチの繊細さ。それは日本映画も同じでしょうが、そうした側面でアジアの映画やドラマが注目されているのでは」
自身も役に入り込むまでが大変だといい、「その苦しみを乗り越えてこそ、キャラクターの完成度が高まる」と明かす。
実はヨンソン夫婦も子を失うという悲しみを心に抱えている。「ヨンソンの夫で、ペク・ヒョンジンさんが演じたドファンに共感しました。かつて息子をなくした喪失感を素晴らしく表現しているし、世のお父さんたちをとてもよく表していると思います」
作品を6回も見たそうだが、「見るたびに入り込むキャラクターが変わります。それほど、それぞれがいろいろな事情を抱えていて、家族について改めて考えさせられます。皆さん、日々忙しいとは思いますが、ぜひ見てほしいです」と鑑賞を呼びかけた。
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!