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「神奈川を本の街に」 小さな書店・出版社が集結、28日にブックイベント
- LOCAL BOOK STORE kita.

神奈川県内の小さな書店と出版社が集まるブックイベント「本は港」が28日、シェア型本屋の「LOCAL BOOK STORE kita.」(横浜市中区)で開催される。県内各地で独自の視点で本と関わる書店主らが集う、初めての試み。同スペースを運営するマスマススクエア代表取締役の森川正信さんは「各地の書店や出版社との出合いからそれぞれの町を知り、実際に訪れるきっかけにしてもらえたら」と期待を込める。
イベントには15の出展者が参加。それぞれが持ち寄った本を手に取ったり、交流しながら購入したりできる。また、編集者や店主らによる本の作り方や、地域の書店事情をテーマにしたトークも行う。
開催のきっかけは、横浜市港北区で出版社・三輪舎を営む中岡祐介さんが「神奈川で本の催しを開きたい」と長年考えていたこと。本を作りたい人は東京に目が向きがちだが、「本来はその土地ごとに独自の出版文化があったし、今後もあるべきだと思う」と中岡さん。2016、17年に同市中区などでブックマルシェ「本との土曜日」を開き、「神奈川・横浜でも本を生み出すことができると示せる催しが必要だと思った」と、さらに大きな規模での開催を模索していた。
同時期に、東京や大阪、名古屋などで個人が経営する「独立系書店」と呼ばれる店舗が増加。県内でも18年に鎌倉市のポルベニールブックストアが開店、22年には7店舗が一斉にオープンしたことから「機は熟した」と感じたという。
理想とするのは福岡県で毎年開かれている本の催し「ブックオカ」。「福岡を本の街に」をテーマに、同県内の新刊書店、古書店、出版社により18年前から始まった。1カ月にわたり、市民が参加する古本市や作家のトークイベント、書店員が選ぶ文庫のフェアが行われ、本を愛する人たちでにぎわう。「ブックオカ」がきっかけで福岡で出版業や書店を始めた人も多い。中岡さんは「そんな風に何かの起点になるようなイベントになれば」と話す。
出展者の一人、「本屋・生活綴方(つづりかた)」(横浜市港北区)の鈴木雅代さんは「ここ数年、県内で書店を営む仲間が増えてうれしい」と笑顔を見せる。神奈川の独立系書店は「地域ごとの特徴が際立つ多様性が魅力」。各地の文化を反映した書店を巡るのが楽しいという。イベント当日も横浜や鎌倉、県西部から出展者が集まる。「横浜にも多彩な顔を持つ街がある。その空気感をまとった本屋があることを知ってもらいたいですね」

本は港:28日午前11時~午後5時、LOCAL BOOK STORE kita.(横浜市中区北仲通3-33)、入場無料。同店と神奈川新聞社の主催。
【出展者】 ①本屋・生活綴方(横浜市港北区)②三輪舎(同)③本屋 象の旅(同市南区)④ブックカフェ はるや(同市神奈川区)⑤LOCAL BOOK STORE kita.(同市中区)⑥星羊社(同)⑦NEUTRAL COLORS(同) ⑧モ・クシュラ(同) ⑨Books&Gallely海と本(鎌倉市) ⑩ポルベニールブックストア(同) ⑪港の人(同)⑫南十字(小田原市)⑬冒険研究所書店(大和市) ⑭道草書店(真鶴町) ⑮真鶴出版(同)
【トークイベント】①「アートブックをつくる」:午後1時~同2時半。登壇者=加藤直徳さん(NEUTRAL COLORS)、大谷薫子さん(モ・クシュラ)。聞き手=中岡祐介さん。②「小田原・真鶴の街の魅力と本屋さん事情」:午後3時~同4時半。登壇者=南十字、道草書店の運営スタッフ。聞き手=中岡祐介さん。トークイベントは事前予約制、参加費1500円。申し込み、問い合わせはLOCAL BOOK STORE kita. メール=kita@massmass.jp 公式HP=https://honmina.com
2023年5月26日公開 | 2023年4月30日神奈川新聞掲載
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