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リサイタル
「作品の素晴らしさ、伝えたい」 ピアニスト・北原義嗣、横須賀でリサイタル
- 横須賀芸術劇場(横須賀市)

昨年の「第9回野島稔・よこすかピアノコンクール」で第3位に入賞した北原義嗣(24)が20日、副賞であるリサイタルを横須賀芸術劇場(横須賀市)で開く。国立音大大学院で研究対象としているシューマンなど、日頃の研さんの成果を披露する。
今回のリサイタルでは、「古典派から始めたい」との思いから、バッハの「イギリス組曲第6番」を皮切りに、シューマンの「8つのノヴェレッテ」、ショパンの「3つのマズルカ」、シューベルトの「さすらい人幻想曲」を演奏する。
大学院の博士課程で研究対象にしようと考えている「8つのノヴェレッテ」は華やかな曲。「シューマン自身、全8曲に通じるものは力だと手紙に書いている。動的な精神が大きな役割を担っていると感じます」。8曲から2番と5番を披露する。
同曲は演奏会ではあまり取り上げられてこなかったといい、これからもこうした曲に「挑戦していきたい」との意欲を持つ。
「さすらい人幻想曲」は「演奏してみたいと前々から思っていた」と選曲。シューベルトの歌曲「さすらい人」のメロディーが核となっており、変奏で展開される。3楽章で構成されるソナタ形式だが切れ目なく演奏されるため、「形式的にも面白い」という。
同コンクールへの参加は「1次予選から大きなホールで弾けることや、2次予選でベートーベンのピアノソナタを、繰り返しを省略せずに全楽章が弾けることに引かれた」と振り返る。
本選で弾いたシューマンの「フモレスケ」は30分に及ぶ大曲。「いくつものセクションに分けられており、それらを統一する、主題とは別の象徴的な構成要素がある」と分析する。
予選から本選まで、審査員から直接講評を聞けたことは貴重な経験となった。「ベートーベンのソナタをほめてもらい、励みになりました」とほほ笑む。
今後は「博士課程の3年間は研究と演奏に専念し、知識を蓄えていきたい。作品の素晴らしさがお客さまに伝わるような演奏をしたい」と抱負を述べた。
北原義嗣ピアノ・リサイタル:午後2時開演。全席指定2千円。問い合わせは同劇場電話予約センター、電話046(823)9999。
2023年5月4日公開 | 2023年5月1日神奈川新聞掲載
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