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回顧展
没後40年、新たな魅力を体感 横須賀美術館で朝井閑右衛門の回顧展
- 横須賀美術館(横須賀市)

長く横須賀にアトリエを構え、独特のタッチによる作品を描き続けた洋画家・朝井閑右衛門(1901~83年)の没後40年を記念した回顧展が、横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開催中だ。油彩画の代表作をはじめ、水墨画、素描などを展示。会場では朝井のこだわりが詰まった鎌倉のアトリエの様子を再現したほか、収集していた骨董(こっとう)や人形、自筆の手帳など約200点が並ぶ。
大阪生まれの朝井は、36年の文展に出品した500号の大作「丘の上」が文部大臣賞を受賞して注目された。戦時中はたびたび中国に渡り、戦争記録画などを制作。47年から約20年にわたって横須賀市田浦町で暮らし、晩年は鎌倉・由比ガ浜で過ごした。
朝井はモチーフを繰り返し描き、画面に絵の具を厚く塗り重ねる画風を完成させた。田浦のアトリエから見えた景色を描いた代表シリーズ「電線風景」のほか、バラやガラス台鉢、ドン・キホーテは何度も手がけている。
同館の工藤香澄学芸員は「田浦時代は自宅から見える京浜急行線と横須賀線の架線が交差する様子を繰り返し描いた。次第に電線は生き物のようにのたうち、躍動する作風へと変化していった」と解説。バラは屋外で咲いたり、自分で育てたりしたものだけを選び、温室で育った花は決して描かなかったという。
同館は「没後40年をきっかけに朝井の世界を形作った原点を見つめ、新たな魅力を体感してほしい」と来場を呼びかける。
「没後40年 朝井閑右衛門展」は6月18日まで(5日休館)。一般1300円ほか。問い合わせは同館、電話046(845)1211。
2023年5月28日公開 | 2023年5月25日神奈川新聞掲載
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