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「まろを見に来てね」 バイオリニスト・篠崎史紀、6月に横浜で公開レッスン

  • みどりアートパーク(横浜市緑区)

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「いいね」と音の響きを確かめながらバイオリンを試し弾きする篠崎史紀。東京都内の楽器店で
「いいね」と音の響きを確かめながらバイオリンを試し弾きする篠崎史紀。東京都内の楽器店で

 「まろ」の愛称でクラシックファンに親しまれているバイオリニスト篠崎史紀による公開レッスンとコンサートが6月18日、横浜市緑区民文化センター「みどりアートパーク」で開かれる。「動物園にパンダを見に行くぐらいの気持ちで来てほしい」とほほ笑む篠崎に、その思いを聞いた。

 「音楽と触れ合うようになるには、何か刺激が必要。その刺激が教育に当たる」という篠崎。

 刺激の例えとして、初めてウサギに触った感覚を持ち出した。「ふわふわして温かい。その感覚が、将来、新しい何かが芽生える記憶になるかもしれない。公開レッスンもそうなればいい」と語る。

 「パンダ」の例えは、好奇心いっぱいのわくわくした気持ちで、公開レッスンも、その後の篠崎が演奏するコンサートにも参加してほしいという思いを表している。「まろを見に来てね」と明るく来場を呼びかける。

 今回のレッスンの受講者は、篠崎がバイオリン部門の審査委員長を務める「かながわ音楽コンクール」(神奈川新聞社など主催)の参加者から選ばれる。同コンクールは「技巧より感性」がモットーで、音楽性を重視している。

 「音楽は一生友達でいられるもの」と篠崎。勝ち負けにこだわるコンクールには否定的だが、前任のバイオリニスト小林武史からそのモットーを聞き、審査員を引き受けた。

 「このコンクールは受ける人が悲壮感を持っていないのがいい。まろの弟子も受けているが、結果は報告しなくていいと言っている。結果はおまけ。自分の良かったところ、悪かったところが分析できればいい」



 1月に60歳を迎え、長年にわたって第1コンサートマスターを務めたNHK交響楽団を定年退職した。現在は特別コンサートマスターとして関わり、「心境の変化は何もない」と笑う。

 「たくさんの巨匠たちの姿を見てきて、元気に動けるのはあと10年だと思う」と、自分の残り時間で何ができるのかを考えた。「日本全国に(音楽の)寺子屋をつくるのが夢だった」こともあり、4月に「ストリングスアカデミー」と名付けた学校を、昭和音大(川崎市麻生区)に付属する形で開設した。

 「音楽のことを一緒に考えてくれるなら年齢は問わない」といい、オーディションで受講者を選抜する。音楽の本質を考える姿勢を養うという。

 「クラシック音楽がやっているのは、歌舞伎と同じで再生と伝承。ただし、時代に即して変えていかないと先には進まない」と柔軟な思考で後進を育てる。

 「篠崎史紀の公開レッスン&コンサート~ブラボー!未来の名手たち~」は午後2時開演。全席指定、前売り2500円、当日3千円。高校生以下は各500円引き。問い合わせはみどりアートパーク、電話045(986)2441。

2023年5月29日公開 | 2023年5月26日神奈川新聞掲載

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