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観客と一緒に「前へ、前へ」　KAAT神奈川芸術劇場で劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」

気になるミュージカル
観客と一緒に「前へ、前へ」　KAAT神奈川芸術劇場で劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」

KAAT神奈川芸術劇場（横浜市中区）

　ガーシュインの名曲にあふれた劇団四季のミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」が、ＫＡＡＴ神奈川芸術劇場（横浜市中区）で７月２２日まで上演されている。

　古き良き時代のアメリカを舞台に、ダンスに夢中な銀行の跡取り息子ボビーと、差し押さえられそうな劇場オーナーのやんちゃな娘ポリーを中心に繰り広げられるラブコメディー。軽妙なタップダンスをふんだんに用いたダンスナンバーや、電話機、ロープといった身の回りの道具を巧みに取り入れた振り付けなど見どころは多い。

　２０１５年からボビー役で出演している萩原隆匡（たかまさ）は「全力を尽くさなきゃいけないという気持ちが潜在的にある。でも、“演じる”となると、内にこもってしまう面がある」と難しさを語る。「コメディーで見る人を巻き込まなきゃいけないので、ともかく前へ前へ進んでいく」ように努めているという。

　８年ぶりの上演となった同作を通して「本当にこの仕事が好きなんだ、劇場が好きなんだと改めて思っている。劇場にお客さんが来てくれるのは、本当に幸せ。目頭が熱くなるくらい感動している」と舞台に立つ喜びをかみしめている。

　ポリー役の町真理子は「憧れていた作品なので、うれしい」と満面の笑み。観客の笑いを誘うユーモアあふれる場面が多く、「お客さんが入ってこその作品だな」と実感する一方で、「関西出身なので、萩原さんが笑いをとっているのがうらやましい」と笑う。

　「テーマとして寂れた町の復興と再生、生きがいを見つけて生きていく人々が描かれてている。今の世の中も同じだなと思う。舞台を見て。元気になっていただけたら」と来場を呼びかけた。