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パイプオルガンの「宇宙的響き、感じて」 石丸由佳、11日に横浜でリサイタル
- 横浜みなとみらいホール(横浜市西区)

オルガニストの石丸由佳が、パイプオルガンと宇宙のイメージをコラボレーションさせたユニークなリサイタルを、6月11日に横浜みなとみらいホール(横浜市西区)で開く。「オルガンの宇宙的な響きを感じてほしい」と話す石丸に見どころ、聴きどころを聞いた。
バッハを中心とした前半と、エンターテインメント性の高い曲を集めた後半の2部構成。天井にプラネタリウム映像、舞台上の大型スクリーンに天体映像を投映するほか、観客から見えにくい演奏中の様子も映し、音楽と宇宙を楽しめるという。
「人間が美しいと思うものは、自然の法則にのっとっているそうです。風が吹くのも、木の葉が芽吹く順番にも法則性があるとか。そんな自然の法則を、人間の耳に聞こえるように取り出したのがバッハだといわれています」と石丸。
1977年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー」には、地球外生命体に向けたメッセージの一つとしてバッハの曲が録音された「ゴールデンレコード」が搭載され、現在も宇宙を旅している。
そのバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」や「平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番」などを披露する。「無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード」は、手を使わずに足だけで演奏する。「オルガンはペダルの位置や間隔などが1台ずつ全て違うので、練習していても相当大変」だという。
後半は、映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のために宮川泰が作曲した「白色彗星(すいせい)」や、ホルストの組曲「惑星」から「火星」「木星」などを弾く。
同ホールのパイプオルガン「ルーシー」は米国製で、こうした曲に合う「エンターテインメントに強い音色を備えている気がする」という。鈴のような音色の「ツィンベルシュテルン」や、水笛を利用した「ナイチンゲール」と呼ばれる特殊な音色を「面白く使えそう」とほほ笑む。
石丸は同ホールの「ホールオルガニスト・インターンシップ・プログラム」を2007年度に修了した。ホールオルガニストとしての在り方を1年間みっちり学んだ経験を生かし、20年4月から、生まれ故郷で新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあの専属オルガニストを務めている。
「中学2年生の時にりゅーとぴあが建設され、そこで初めて生のパイプオルガンの音を聴きました」。吹奏楽部で管楽器を吹いていたが、「一度に弾けるのは旋律だけ」という当たり前のことに物足りなさを感じており、旋律も伴奏も1人で弾けるパイプオルガンに魅了された。
「1人でオーケストラの曲を弾けるのがオルガンの面白さ」と魅力を語った。
「J.S.バッハ×オルガンの宇宙 石丸由佳 パイプオルガン・リサイタル」は午後2時開演。全席指定4千円。問い合わせは神奈川芸術協会、電話045(453)5080。
2023年6月2日公開 | 2023年5月29日神奈川新聞掲載
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