とれたて
産地直売
つぼ焼きも、酒蒸しも、肝だっておいしい 横須賀・長井漁港のサザエ
- 長井漁港(横須賀市)

水中眼鏡と足ひれだけで海中に潜り、貝を採る「素潜り漁」。横須賀市西部の長井漁港では、今月1日から漁期に入った。10月末までの期間中、サザエの漁獲量が増えるという。網元・房竹丸の宮川聡さん(45)を訪ねた。
同漁港は磯が広い上、カジメ、アラメ、テングサなど餌となる海藻が豊富なため、サザエが広く分布する。素潜り漁の漁期以外の時期は、船上から箱眼鏡を使って海中をのぞき、長い棒で引き上げる。だが潮が良くなる夏場は海中が見えにくくなるため、直接潜って採取する。このため、漁獲量が増えるという。海藻が著しく消失する「磯焼け」の影響で個体数が減る傾向にはあるものの、同漁港では昨年、1日1トン近くが揚がった。

宮川さんは、同漁港で素潜り漁を行う18人の1人。水深約11メートルまで潜る。「5メートルを過ぎると水圧ですーっと(下に)落ちていくので、力を抜いて優しく動けば、酸素を消費しない。水深15メートルぐらいまで潜る漁師もいる」と説明する。
大きさを測り、一定のサイズ以上を収穫。息が苦しくなるまで続ける。その間、およそ1分。これを何度も繰り返す。昨年、宮川さんの漁期初日の漁獲量はおよそ60キロだったという。

成長すると、サザエはより深い場所で生息するため、潜れば潜るほどサイズが大きくなるという。「大きい個体はつぼ焼きで、小さい個体は殻に穴が開くことがあるので酒蒸しなども」と宮川さん。今後、サザエはおいしさが増していく。宮川さんは「9、10月の産卵期に向け、肝がパンパンになってくる。肝までおいしく食べられますよ」と笑顔で話した。

お薦め品
サザエ:1キロ1500~2千円(税抜き)
ここで買える
房竹丸直売所:横須賀市長井3の46、船着き場。京急線三崎口駅からバスで不断寺下車3分。午前9時~午後4時。日曜のみ営業。電話046(857)1832。
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
2023年6月8日公開 | 2023年6月8日神奈川新聞掲載
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