とれたて
パイナップル
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<パイナップル編>

パイナップルは一年中店頭で売られているので分かりにくいですが、旬は夏です。農林省は8月1日を「81(ぱい)ん」の語呂合わせで「パインの日」と制定し、同月を〝パイン消費拡大月間〟としています。パイナップルは千年以上前から、ブラジル南部、アルゼンチン北部、パラグアイの地域で栽培されていました。日本へは江戸時代にオランダ船が持ち込み、沖縄や小笠原諸島で栽培されるようになりました。
パイナップルの名前の由来は?
A 世界で最初に栽培に成功した人の名前からとった
B 松(pine)とりんご(apple)の組み合わせから
正解はBです。
松を意味するパイン(pine)と、りんごを意味するアップル(apple)を組み合わせて名付けられたという説があります。形が松ぼっくりのようで、実がりんごのように甘くおいしいから、と言われています。ちなみに「パイン」と「パイナップル」の言い方は異なりますが、同じ果物のことです。
<見分け方>
全体的に丸い形でずっしりとしているものは、果汁が多く、甘いものが多いです。葉が付いている場合は、葉がピンとして青々とし、乾燥していないものがお薦めです。カットされたものの場合は、濃く色付きツヤツヤと輝いているものが、甘く完熟している可能性が高いです。
<保存法>
お尻の部分に甘味がたまるので、葉の部分を下にして逆さまの状態で保存すると、甘味が全体に行き渡るといわれています。丸ごとの場合、新聞紙などで包んで冷蔵庫の野菜室に入れておけば、2~3日は持ちます。カットしたものはラップに包み、冷蔵庫に入れ早めに食べきりましょう。
<食べすぎると舌がヒリヒリするのは?>
原因は、「ブロメリン(ブロメライン)」というタンパク質分解酵素です。舌の表面はもともとタンパク質に覆われていますが、大量のパイナップルを食べることで、酵素が舌の粘膜のタンパク質を分解してしまい、ヒリヒリとします。また、未熟な果実には針状結晶の「シュウ酸カルシウム」が多く含まれ、やはり舌がヒリヒリする場合があります。タンパク質が多い牛乳やヨーグルトを口に入れると、分解酵素が牛乳やヨーグルトのタンパク質と結び付き、ヒリヒリが和らぎます。
<お肉と相性抜群>
「ブロメリン」には、肉を柔らかくする効果があるといわれており、パイナップルをすりおろした果汁に肉を漬けると柔らかくなります。また肉と一緒に食べることで、消化を促進してくれます。ただし、ブロメリンは熱に弱いので、肉と一緒に食べる場合は加熱しないことがポイントです。このほか、腸内の老廃物を分解する作用も期待されています。
<栄養>
食物繊維が豊富に含まれ、便秘解消に効果的です。またビタミンB1、ビタミンC、クエン酸など、疲労回復や夏バテ予防に効果がある成分が含まれているので、暑い夏を乗り切るにはもってこいの果物です。
プロフィール:緒方 湊(おがた・みなと) 2008年3月生まれ。6歳で野菜づくりを始める。8歳で野菜ソムリエ、10歳で野菜ソムリエプロに合格(いずれも当時の最年少記録)。横浜DeNAベイスターズの大ファン。
2023年7月27日公開 | 2023年7月27日神奈川新聞掲載
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