気になる
公演
ソプラノ歌手・岩崎由紀子が登場 神奈川フィル、9月に平塚で「巡回公演シリーズ」
- ひらしん平塚文化芸術ホール(平塚市)

神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川フィル)が2020年から県内で行う「FOR FUTURE 巡回公演シリーズ」が9月9日、平塚市で初開催される。会場は、ひらしん平塚文化芸術ホール。同市在住のソプラノ歌手・岩崎由紀子(78)が、オーケストラに乗せて華麗な歌声を披露する。「親しみやすい曲ばかり。若い方々にも聴いてほしい」と来場を呼びかけた。
「この年齢で歌っている人っていないでしょう?」という岩崎。約40年にわたり教壇に立った国立音大を10年に退職。現在は後進の指導に当たりながら、自身も舞台に立ち続けている。
「教室で教えるにも、自分が演奏していないと全曲通して教えられない。演奏も、人に聴いてもらわないと演奏とはいえない。聴いてもらったその反応で、変わっていくものだから。細々とでも、年齢なりに続けていればできる」との信念を持つ。
歌が好きな母親の影響で、蓄音機から流れる三浦環や藤原義江の歌を聴きながら遊んでいた。特別に歌を習ったことはなかったが、小中学校時代は学校代表として市内の音楽祭で歌ったこともあった。
県立平塚江南高校で合唱部の顧問に声楽を勧められ、国立音大へ進学。卒業後は二期会に所属し、「椿姫」「アイーダ」など数々のオペラで主役を務めてきた。平塚では、主演した「蝶々夫人」の企画制作や、市民オペラ「カルメン」に総監督として携わった経験を持つ。
今回の演奏会では、神奈川フィルが太田弦の指揮でムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」や、ラベル「ボレロ」などを演奏し、岩崎は日本の歌曲を歌う。
「なぎさ」は「平塚出身の詩人で、私の高校の先輩」という木下宣子が作詞、朝岡真木子が作曲。「平塚の海岸から湘南の海を歌ったもの」だという。
今年生誕100年を迎えた中田喜直が作曲した「歌をください」は「平和を願い、希望の歌を歌いたい、という思いがこもった作品。今の時代にもちょうど合う」。中田とは「お元気な頃から交流させていただいた」と懐かしむ。
平井康三郎作曲の「うぬぼれ鏡」は「生前、平井先生に聴いていただいたことがある。オペラティックでコミカル、楽しいワルツ」と評する。
いずれも同市在住の作曲家で、同ホールの音楽アンバサダーを務める加藤昌則が編曲を担当する。「これまではピアノ伴奏で歌っていて、オーケストラとは初めて。不安もあるけれど、本当に楽しみ。生の音楽を聴いていただきたい」とほほ笑む。
岩崎は、1991年に平塚音楽家協会を立ち上げ、現在は会長を務める。「ひらつか観光大使」としても活躍中だ。2022年に開館した同ホールには、企画段階からさまざまな提言を行い、地域で音楽活動が盛んになるよう尽力してきた。「せっかくオケピットがあるので、いずれはオペラができるといいですね」と期待を寄せた。
午後2時開演。全席指定、一般4千円、25歳以下千円ほか。問い合わせは神奈川フィル、電話045(226)5045。
2023年8月12日公開 | 2023年8月11日神奈川新聞掲載
オススメ記事⇩
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!