とれたて
産地直売
紫艶やか、ナス最盛期「基本に忠実に、淡々と」 立木農園(小田原市)
- 立木農園(小田原市)

小田原市穴部地区で代々続く農園「立木農園」。「祖父の代では、ミカンの苗を作るなど小田原から湯河原方面までのミカン作りに貢献し、父の代から野菜作りを始めた」と話すのは立木隆之さん(40)。父の公男さん(72)と共に農園を切り盛りする。現在は夏野菜が最盛期を迎えている。

ナスもその1つで、畑にはつややかな濃い紫色のナスがたわわに実る。長ナスと、一般的な長卵型の「千両2号」を扱い、11月上旬ごろまで出荷が続くという。
煮崩れしにくい長ナスは、マーボーナスやパスタやカレー、はさみ焼きに。皮が薄く加熱すると果肉がとろっととろける食感になる長卵型は、焼きナスや、大きめにカットして煮物や揚げ物にするのが適している。
異常気象や肥料の価格高騰など、厳しい環境の中でも「基本に忠実に、やるべきことを淡々とやるだけ」と立木さんは話す。

近年は、周辺の若手農家とのつながりから、ホテルや飲食店への出荷なども行うようになり、販売方法や栽培品種について思いを巡らせることも増えたという。
家業として農業を継ぐ人、勉強して新規就農する人、リタイア後に野菜作りを始める人―。さまざまな立場の人が作る野菜が並ぶ中で、適正価格で手にとってもらうことなど課題は多くある。「野菜を育てるだけではダメ。課題を解決するための時間を創出していきたい」と模索する。

これから冬に向けてダイコンやハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、コマツナなどの栽培が始まる。毎日の食卓を支える食材を多く扱う立木さん。「農家がどんどん減っていく中で、代々続く専業農家として、誰にでもなじみのある野菜を作り続けることが喜ばれる日が来るのでは」

お薦め品
ナス(1袋)130円~
キュウリ(1袋)130円~
ここで買える
JAかながわ西湘 農産物直売所 朝ドレファ~ミ♪ハルネ店=小田原市栄町1の1の7、小田原駅東口地下街「ハルネ小田原」内。午前10時~午後8時。電話0465(23)3100。
▷一夜城ヨロイヅカファーム、漁港の駅「TOTOCO小田原」などでも販売。
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
2023年8月27日公開 | 2023年8月24日神奈川新聞掲載
オススメ記事⇩
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!