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トーク&ライブ
「海援隊」、9月に関内ホールでライブ 武田鉄矢「ちょっと声が出なくなった、も味の一つ」
- 関内ホール(横浜市中区)

3人組フォークバンド「海援隊」が全国を回る「トーク&ライブ2023」が9月2日、横浜市中区の関内ホールで開かれる。数々のヒット曲を中心に心温まるトークを披露する。1971年の結成からキャリアは50年を超えるが、ボーカルの武田鉄矢(74)は「年を取ると同時に、歌も変化すべきだ」と、自分たちの今を伝えたいという。
メンバーは、サイドギターの中牟田俊男(74)、リードギターの千葉和臣(71)と武田。「だんだん仲がよくなってきました。間違えても非難し合うのはやめよう、それも芸の内だよって」と武田は笑う。ステージでは「ふてえことを言うと、人間の本性に迫っている」という。「老いていくことを敵に回したくない。ちょっと声が出なくなった、リズムが遅くなった、そんなことも味の一つ」と語る。
これまで「自分に降り積もってきた年齢という季節を、折々に歌ってきた」と振り返る。自身の結婚をはじめ、娘の誕生、老いてゆく母、加齢に伴う肉体の変化も取り上げてきた。「ちょっと過激に言うと『してもいない恋は歌うもんか』と。血圧が高いなら、歌うのはそれでいいんじゃないか、って。自分のフォーク道は、最初からそうでありたいと思ってきました」。身近な出来事に目を向け、歌にすることで人々の共感を呼んできた。
デビューから数年は吉田拓郎や井上陽水らが歌うフォークソングがもてはやされていた。その当時、歌謡曲の逆襲を感じていたという。「歌謡曲は言葉の選び方が、時代の真ん中を狙ってくる」と分析。歌謡曲に負けまいと作ったのが、テレビドラマの主題歌で大ヒットした「贈る言葉」だ。「『求めないで 優しさなんか/臆病者の 言いわけだから』という歌詞は、攻め込んでくる歌謡曲を意識。優しささえあればいいんだ、という時代の風潮に対抗したもの」と明かす。
フォークソングは「田舎から出て来た田舎者が歌うのが重要」だという。福岡から上京して活動を始めた約50年前、テレビ神奈川(tvk)の歌番組「ヤング・インパルス」にレギュラー出演し、週に1度、横浜で収録していた。「横浜の女の子はしゃれていて、胸がときめきましたね」とほほ笑む。
73年の「母に捧(ささ)げるバラード」は、横浜で働く鉄鋼関係者から火が付き、全国でのヒットにつながったという。福岡弁の語りがある同曲に「地方出身者が力を貸してくれたのでしょう」とみている。
ここ数年は歌手活動が中心だが、「俳優としてやりたいことはいっぱいある」という。「この3年、よく本を読みました。今はしっかり勉強して、体を鍛えておこうと思っています。老人アクション映画なんて、受けるんじゃないかなあ」
午後3時半開演。全席指定6500円。問い合わせはKMミュージック、電話045(201)9999。
2023年8月27日公開 | 2023年8月25日神奈川新聞掲載
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