とれたて
産地直売
加熱調理してもシャキっ 海老名の農家が育てるニラ
- 伊田園芸(海老名市)

加熱調理してもシャキっとした歯ごたえと、食欲をそそる独特の香りが残る「えびなのにら」。ニラの匂いの正体は疲労回復効果がある成分、アリシン。ビタミンの吸収を促進し、夏の疲れが体に残る今の時季に進んで摂取したい食材だ。
育てるのは、神奈川県内でも珍しいニラ農家の伊田順一さん(42)。丹沢の山々を望む総面積1万平方メートルもの畑で、ニラの中でも葉の幅がかなり広めの品種、ワンダーグリーンベルトを家族4人で露地栽培する。

苗床で種から育てた苗を数株ずつ、畑に手作業で定植し、高さ40センチを越えるほどに成長したところで刈り取る。異なる時期に作付けした複数の畑から、年ごとに順を追って収穫する。その後も人の手で外側の土が付いた葉や硬めの葉を落とし、中の柔らかい部分だけより分けて袋詰めしたものを出荷するのだ。

「こだわりを持って取り組んでいるのは土作りですね。肥料はとにかく、ありとあらゆるものを試しています」と伊田さん。「より多くを与えればいいというものではなく、育てる作物に適したバランスでなくてはいけない。本当に奥が深いんですね」と話す。昨年夏は、栄養価の高い種を肥料に利用しようと植えた4千本のヒマワリが咲き誇り、その美しさが周辺住民の目を楽しませ話題となった。

花といえば、ニラも白くかれんな花を付ける。通常は疲労を防ぐためにつぼみのうちに花茎を摘むが、あえて開花させたものを見せてもらうと、1本の茎に小輪の花がいくつも咲く様が何ともかわいらしい。畑を眺めながら「猛暑などの気候変動にも適応可能な栽培をしていけたら」と伊田さん。
鮮度を重視した「えびなのにら」は主に県内で販売している。どんな料理でも存在感を発揮する名脇役のような地元のスタミナ野菜を、ぜひ味わってみてほしい。

ここで買える
JAさがみ 海老名グリーンセンター=海老名市大谷246。海老名駅からバスでみずほ団地前下車3分。午前9時~午後5時。水曜休み。駐車場あり。電話046(234)0080。

お薦めレシピ
「ニラのしょうゆ漬け」
冷ややっこや納豆、釜玉うどんのトッピングなど、お好みの料理に便利に使える調味料。
ニラ1束を好みの大きさに刻み、しょうゆ80~100㏄、七味唐辛子、みりん(アルコールを飛ばしたもの)を混ぜる。
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
2023年9月16日公開 | 2023年9月14日神奈川新聞掲載
オススメ記事⇩

横浜ではこの3年ほどで、グルメやお買い物が楽しめるスポットがオープンしたり、リニューアルしたりしました。ゴールデンウ...
横浜ハンマーヘッド(横浜市中区)

酷暑で食欲が落ちている人も多いのでは。そのようなときの強い味方が、冷たい麺です。ひんやりツルツルッと楽しめる麺料理を...
うしお(藤沢市)

横浜桜木町ワシントンホテル5階のダイニング&バー「ベイサイド」は6月1日から、アミューズからデザートまでタカナシ乳業...
横浜桜木町ワシントンホテル(横浜市中区)
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!