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バリトン歌手が誘うドイツリートの魅力 横須賀でリサイタル

バリトン歌手の小池優介(26)がドイツリートの魅力を紹介する「小池優介バリトン・リサイタル」が10月7日、横須賀市の横須賀芸術劇場で開かれる。字幕付きの演奏会で、ドイツ語の詩と音楽が織り成す豊かな世界にいざなう。
小池は2022年の「日本音楽コンクール」で第2位と岩谷賞(聴衆賞)を受賞し、バッハ・コレギウム・ジャパンの声楽メンバーとしても活躍中だ。
ドイツリートは「文学として完成された詩があり、いいなと思った作曲家が曲をつけているので、文章の支配力が大きい。言葉の意味が分からないと、なぜ歌手はつらそうなのか、楽しそうなのか、と理解できなくなる」と小池。
そのため字幕付きでの演奏会にこだわっている。今回は自ら翻訳した字幕と、詩の情景を解説するレクチャーを交えたステージになるという。
「ドイツの詩によく出てくるテーマを並べた」演目の冒頭には、曲の作法が似ているという成田為三「浜辺の歌」を置いた。有名なシューベルトの「魔王」「鱒(ます)」「さすらい人」、シューマン「森での会話」などを披露する。
レーベの「詩人トム」はトムが昼寝をしていたら、白馬に乗った美しいエルフの女王が現れ、喜んでついていく、という話。「寸劇にもならないような小さな世界を表現できるのがすごくいい」とほほ笑む。
ピアノは「鋭いセンスの持ち主」という居福健太郎。「ピアニストは伴奏者というより共演者。違うビジョンを持っていると歌えなくなるので、詩を丹念に読み取ってイメージを一致させる」といい、ピアノと歌で隅々まで詩の世界観を表現する。
小学4年生の時、合唱を始めた。両親はクラシック音楽に関心がなく、音大への進学を反対されたという。入学した東京芸大で「クラシック音楽を幅広く知り、愛するようになった」と振り返る。
20代最後の年には、シューベルトの歌曲集「冬の旅」を歌いたいとの抱負を抱く。「人生経験がある程度ないと演奏に厚みが出ないといわれるが、その時の感性、声で歌いたい」
午後3時開演。全席指定2千円。問い合わせは同劇場、電話046(823)9999。
2023年9月23日公開 | 2023年9月18日神奈川新聞掲載
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