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風景印
風景印散歩の醍醐味を語る 古沢保さんが講演会
- ふじさわ宿交流館(藤沢市)

切手に押される消印の一種・風景印を通して、地域の魅力を再発見する講演会「郵便風景印からみる藤沢・東海道五十三次」が9日、ふじさわ宿交流館(藤沢市)で開かれた。講師は、神奈川新聞で2012年から5年間、「かながわ風景印散歩」を連載した古沢保さん(52)。連載時の取材裏話を織り交ぜながら、風景印の楽しみを紹介した。
講演会には40人が参加。申し込み開始から35分で満員になった人気ぶりで、風景印初心者や収集家らが熱心に耳を傾けた。同市内からの参加者が多く、古沢さんは「地域の歴史に関心が高い方が多くてうれしい」と笑顔を見せた。

風景印は、各郵便局が地域の名所や名物を図案化している。東海道の宿場町として栄えた同市には31の郵便局があり、そのうち20局が風景印を備えているという。「地元の人でも知らないものが取り入れられていることもある。現地に行って、それを見て、町を知っていくのが楽しみ。これを“風景印散歩”と称している」と古沢さん。

講演会で取り上げた「鵠沼桜が岡郵便局」の風景印は、皇大神宮(同市鵠沼)の人形山車「日本武尊(やまとたける)」がモチーフ。郵便局と神社はJRの線路を挟んでやや距離があるため、「離れた場所をなぜ図案化したのか」と疑問を持ったという。調べると、一帯はもともと皇大神宮の氏子町。九つの町がそれぞれ人形山車を持っており、日本武尊は郵便局がある「原町」の山車だと分かった。

毎年8月17日に行われる例大祭は、9台の山車が並ぶ見事な眺めで知られている。古沢さんは実際に足を運び、その姿をカメラに収めた。山車は現在神社内に収められているが、地元の人から「かつては各町で保管しており、祭りの時は線路を越えて境内まで運ぶのが大変だった」という話を聞いたという。
「歴史の本に載らないような話が聞けるのが、風景印散歩の楽しみですね」と醍醐味(だいごみ)を語った。
参加者の中には、古沢さんが主催する風景印散歩イベントの常連も。50代女性2人組は東京でのイベントに参加しており、「古沢さんの発想は面白い。描かれた以上のことに思いをはせる感じがいい」と話した。

2023年9月23日公開 | 2023年9月18日神奈川新聞掲載
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