産地直売
牛乳
おいしさ届ける「勝栄舎牧場」のプリン 伊勢原産の卵使用、土産にも
- 2016年5月5日 神奈川新聞掲載

心地よい風が吹き抜ける牛舎に入ると、視線を感じる。「新参者」をよく見ようと、牛たちが身を乗り出していた。「みんな産前産後の母牛なんです」と、勝栄舎牧場の3代目牧場主中村康弘さん(51)。活発で元気な乳牛26頭を、たった一人で面倒を見ている。
祖父の勝雄さんが戦前から営んでいた牧場を、1951年に法人化した。栄養価の高い牛乳の増産が求められた時代だった。父の将一さんは約50頭を飼育していた。

将一さんが引退してからは、徐々に頭数を減らした。その分1頭当たりの搾乳量を増やしたいところだが、「牛を追い込んじゃいけない」と康弘さんは考えている。餌は牛乳の味に直接反映する。過剰に与えると体調が悪くなることもある。「健康な牛のおいしい牛乳を飲んでもらいたいから」と康弘さんは母牛たちを慈しんでいる。
こうした康弘さんの努力も、出荷するとほかの乳と混ぜられ一律価格となってしまう。牧場の牛乳を消費者に直接届けたいと始めたのが、妻の雅子さん(42)による菓子作りだ。大人気となったプリンは、ひとさじ目のクリーム層が特徴だ。伊勢原産の卵も使い、土産にも喜ばれている。牧場直営の菓子工房で販売している。

康弘さんは、市内の他の牧場と連携し、「伊勢原産牛乳を商品化して、もっと飲んでもらおう」というプロジェクトにも積極的だ。酪農への理解を深めてもらうイベントもプロジェクトで開催し、新しく造成された宅地の住民にも気配りを忘れない。「伊勢原に牧場があってよかった」と思ってもらえるように、中村さん夫妻は願っている。
★お薦め品
とろけるプリン まきばの贅沢(ぜいたく) 1瓶378円
ホームメイドプリン 1個540円
※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
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