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とれたて 鶏卵
地域循環型の養鶏目指す

  • 2017年6月22日 神奈川新聞掲載

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檀上さん夫妻
檀上さん夫妻

 山と平地に挟まれた小田原市久野の中山間(ちゅうさんかん)地域で養鶏を営む檀上(だんじょう)貴史さん(38)、智子さん(35)夫妻は、5年前に新規就農した。

 長年使われていなかった養鶏場を譲り受け、鶏が自由に動き回れる「放し飼い」スペ-スを設けた鶏舎に改修。ひなの時から地域の落ち葉や腐葉土などで作った床の上で育て、飼料も自らブレンドしたものだけを与えている。現在、飼育しているのは約400羽。「産みたての卵は殻の表面がつややか。こんもりと盛り上がった黄身は、あっさりとして臭みがない」と“放し飼い”のおいしさをアピ-ルする。


ひな
ひな

 銀行員、商社の起業・経営などを経て、貴史さんが養鶏家を志したのは33歳のとき。「リ-マンショックを経験し、効率重視の仕事の仕方に限界を感じた」と、そのきっかけを振り返る。さまざまな農業や養鶏の現場を視察し、農産物の食べられない部分や鶏ふんなど廃棄してしまうものの多さに違和感を覚えた。そこで目指したのが、地域循環型の養鶏だった。

 養鶏と並行し、市内外6カ所に点在する田畑で、鶏ふんを活用した農業にも取り組む。一年を通じ、米、小麦、パクチ-、ニンニク、ミカンなどさまざまな農作物を栽培。その葉や茎などを鶏の飼料に再利用している。


小麦畑
小麦畑

 こうした“循環の輪”は地域にも広がりをみせている。例えば近隣のパン店。パンくずを飼料として引き取る替わりに、鶏ふんを肥料に育てた小麦を小麦粉にして卸している。ほかにも、豆腐店、製粉工場などで廃棄する大豆やソバ殻を飼料に利用。地縁のなかった小田原で地域の人に支えられていることを実感しているという。

 「お金を払って廃棄していたものが、動物が間に入ることで、資源として再利用できる。輸入飼料を購入する方が効率的かもしれないが、地域とともに問題を解決していきたい」と貴史さん。鶏舎と田畑、そして地域を駆け巡る、充実した日々を過ごしている。問い合わせは、春夏秋冬090(9640)1845。[ホームページ]あり。


パッケージと産みたての卵
パッケージと産みたての卵

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 第2・4日曜午前7時半~9時半、平井書店裏・駐車場(小田原駅徒歩8分)。電話0465(22)5370。

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