とれたて
幻のフルーツ ポーポー
幻のフルーツ「ポーポー」、川崎の杉田農園で収穫 バナナとナシとマンゴーを足したような味
- 杉田農園野菜直売所(川崎市宮前区)
- 2018年8月9日 神奈川新聞掲載

川崎市内に約4千坪の農地を持つ杉田農園。園主の杉田広行さん(46)が現在栽培する100種以上の中で、もうすぐ収穫を迎える珍しい果物が「ポーポー」だ。
熱帯原産のバンレイシ科の果樹の中で、唯一の温帯原産。北米では「カスタードアップル」と呼ばれる。杉田さんは「カスタードフルーツ」と呼び、日本ではアケビに似ていることから「アケビガキ」と呼ばれることもある。完熟すると黄色い果肉は甘く、とろりと濃厚で、“バナナとナシとマンゴーを足したような味”“カスタードクリームに似ている”などと言われる。

日本では明治期から栽培されているが、「幻のフルーツ」と呼ばれるほど珍しい。その理由は、収穫の難しさ。「熟すと3日ほどで一気に糖度が上がり、食べごろになる。ピークの翌日にはガクッと下がり、味が落ちてしまう。収穫のタイミングが難しい」。20年ほど前から栽培する杉田さんは、確かな目でそのタイミングを見極める。
今の時季は他に、トマトやナス、キュウリなどの夏野菜を栽培。直売所には、ふくふくとした野菜や果物が常時15種以上並ぶ。中には、種苗業者からの依頼で栽培した、まだ名前が付いていない新種の野菜が並ぶこともあるという。

おいしく、安全な野菜の露地栽培に力を注ぐ。自らが食べて納得できる最低限の農薬しか使わない。使用している肥料や農薬を公開するイベントを行うほどオープンだ。そこには「消費者も知識を付けてほしい」という思いがある。「うちの野菜は虫食いもあるけど、見た目は良いが虫も食べない野菜で作ったスムージーより、よっぽど健康的だと思うよ」と投げ掛ける。
食育に農業の知識や体験などを含めた「食農」の普及にも積極的だ。「将来は畑を開放したい。お客さんに、その日に使う野菜を収穫してもらう。レストランもいいよね」と意欲は尽きない。

お薦め品
- ポーポー(カスタードフルーツ)1パック400円(8月中旬から)
- トマト 1袋250円
- ナス 1袋100円
- キュウリ 1袋150円

※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
杉田農園野菜直売所
住所 | 川崎市宮前区犬蔵1の37の20 |
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アクセス | JR武蔵溝ノ口駅からバスで清水台下車4分
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電話 | 044(975)0209 |
営業時間 | 水・土・日曜午前9時半~売り切れ次第終了 |
定休日 | 雨天休み |
[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。
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