テーマ特集
バラで優雅なひとときを④
甘く爽やかな香り♡食用バラ
- 横田園芸(平塚市)
- 2019年5月11日 神奈川新聞掲載
見るもよし、食べるもよし、贈るもよし、香りを楽しむもよし…。色とりどりのバラに囲まれ、優雅な時間を過ごしてみませんか。(4/6)

【横田園芸】無肥料・無農薬で香りを追求
ハウスに入ると、思いっきり息を吸いたくなるような甘く爽やかな香りが迎えてくれる。横田敬一さん(53)が無肥料・無農薬で育てる食用のバラが放つ香りだ。根元には野草が育ち、テントウムシがせっせと食事をしている。
横田さんは園芸農家の3代目。結婚式用の華やかなバラを栽培していたが、たくさんの農薬が必要なことが気になり、次第に減らすようになった。その過程で何げなく味見したことが食用のバラへの転換のきっかけ。200種類ほどを食べ比べ、現在栽培する4種類に行き着いた。切り花向けの栽培をやめ、完全無農薬に踏み切ったのは2014年。「農薬の豊富な知識があったからこそ逆にできた」と振り返る。

イングリッシュローズの一種で、若い草のようなハーブ系の香り。香りの中に美白を促すきっかけとなる成分を含んでいるという。
2イブピアッチェ〈ピンク〉
ダマスクローズ系の華やかで甘い香りが特徴。ウエディングブーケなどにも用いられ、女性に人気。
3ブルーリバー〈紫〉
花は高貴な紫色。爽やかですっきりとした強めの香りは、男性にも好まれる。
4花菜ローズ〈オレンジ〉
「花菜ガーデン」(平塚市)のシンボルローズ。ティー&フルーティーと呼ばれ、爽やかさとフルーツのような甘い香りを併せ持つ。
※いずれの品種も、食用に栽培されたもの以外は食べられません。
「食べられるバラ」ではなく「食べるバラ」を栽培するのが横田さんの信念。本来の味や香りを出すために、バラが吸収したい栄養を取り入れ、育ちたいスピードで育つよう、余計なことは一切しない。テントウムシやトカゲ、クモなどが害虫を食べ、根元に育つ野の草花が土を生かしている。こうして育ったバラは、本当に生き生きとし、香りに芯があるという。
また、バラで得たノウハウを生かし、無農薬の野菜づくりにも取り組む。夏にはコンパニオンプランツとして植えている白、黒、紫、黄、赤のカラフルなピーマンも実るそう。ファンも多く、近隣の飲食店などにも出荷している。
色も味も美しい「ばらジャム」

妻の春枝さんが手掛ける「ばらジャム」(845円)は、食用のバラの花びらをたっぷり使った4種類。美しい色は天然で、保存料などは使っていない。優しい甘さにやわらかな酸味が加わり、口に入れたとたんバラの香りが鼻に抜け、後味もすっきり。「湘南ひらつか名産品」に認定されている。JA湘南あさつゆ広場のほか、平塚市観光協会(☎0463・20・5110)でも扱っている。
食べてみました
お薦めは「バラにのせて食べること」と教わり試してみた。やわらかく滑らかな花びらの舌触りに、ジャムに凝縮された香りと味が加わる。なんともぜいたくな味わい。“優美”ともいえる風味が口いっぱいに広がった。
ここで買える
JA湘南あさつゆ広場(食用ばら・ばらジャム)
平塚市寺田縄424の1。☎0463(59)8304。
※食用ばらは予約販売のみ。5月中旬から「ばらジャム」を使ったジェラートも販売(期間は要問い合わせ)。
マイクラウン(無農薬野菜)
茅ケ崎市中海岸1の1の14の12。☎0467(84)8923。
横田園芸(食用ばら・ばらジャム)
食用ばらは基本、業務用専門に販売。小売りの相談は[メール][ファクス]でのみ受け付けている。☎[ファクス]0463(91)6080。[メール]yokota0141rose@gmail.com
※農園の見学は不可。
食用ばら1パック(花びら15グラム) 324円~
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