気になる 初めて一緒に演奏したのは「かながわ音楽コンクール」 ピアノデュオDuo A&Kがアルバムリリース
- 2021年9月1日 神奈川新聞掲載

ピアノデュオ「Duo A&K」がこのほど、ピアノ連弾のオリジナル曲を集めたアルバム「カレイドスコープ/kaleidoscope」をリリースした。3歳違いの姉妹は「意識して考えなくても、音楽の流れに不自然なところがない」という息の合った演奏で聴かせる。まさに万華鏡のように、華やかにきらめく音色を堪能できる。
共に横浜市戸塚区在住の姉・生田敦子と妹・惠子によるピアノデュオ。アルバムについて敦子は「国も時代も全く違う音楽家による、連弾の王道といえる曲を集めた。いろんな角度から楽しんでいただけるのではないかと、タイトルにも思いを込めた」と話す。
ラフマニノフ「ピアノ連弾のための6つの小品 作品11」、ドビュッシー「小組曲」、シューベルト「幻想曲 ヘ短調 作品103」の全11曲を収めた。響きの美しい曲ばかりで「編曲ではなく、ピアノ連弾のためのオリジナル曲は意外と少ない。マニアックかも」と2人はほほ笑む。
1台の楽器を2人が一緒に弾くというピアノの連弾は、他の楽器にはない演奏方法。惠子は「20個の鍵盤を同時に押せるので、音に厚みが出るし、迫力も出る。一つの楽器を分け合って一つの音楽を作り上げるのは、連弾の魅力」と語る。

共に留学していたスイスでの音楽祭で披露した連弾の演奏が好評で、師の勧めを受けて2003年にデュオを結成した。
「他の人と演奏して初めて気が付いたが、姉妹だと音楽性について事細かに言わなくていい」と惠子。敦子も「合わせようと考えなくても、勝手に合っている。(テンポを自由に加減する)テンポ・ルパートも音楽の流れに不自然さがなく、出てきたものをそのままふわっと出せるのはいいところ」という。
コロナ禍で演奏会が次々とキャンセルになる中で、「何かしなくては」との思いが強まり、昨年3月から動画投稿サイト「ユーチューブ」で定期的な配信を開始。「連弾動画100本ノック」と銘打ち、さまざまなジャンルの曲を1日に1曲ずつ、100日にわたって連弾で演奏し続けた。現在の動画数は約160曲に上り、4本の手が交差するなど連弾ならではの「見る楽しみ」も届けている。
実は、公の場で初めて一緒に演奏したのは1989年、神奈川新聞社が主催する「かながわ音楽コンクール」の入賞者によるトップコンサートだったという。高校生と中学生で「2人とも入賞して、せっかくだから一緒に演奏したら、と審査員の先生に勧められ」て、モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲」で、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演した。
同コンクールには敦子は85年の第1回から、惠子も度々参加し、受賞を重ねた。「縁が深いですね」と感慨にふけった。
CD発売の記念コンサート「カレイドスコープ」を23日にサーラ・マサカ(同区)で行う。午前11時と午後3時からの2回公演。チケットは3千円。申し込み、問い合わせはA&Kアーツマネジメントのメール(info@ak-iam.com)で。
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