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　ＪＲ武蔵中原駅から高架沿いを歩くと、カレーの香りがふわりと漂う。今年３月にオープンした「シナモンの木」は、帝国ホテルエンタープライズで腕を磨き、横浜ベイシェラトンホテル＆タワーズで料理長を務めたシェフ南環次さんのカレー店だ。

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　フレンチを中心に和洋中、すしまで握れる技術を持ちながら、独立に選んだのはカレー。「スパイスは奥が深い」と南さん。高校生の頃からカレーが好きで、友人にスパイスカレーをふるまっていたという。

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　一押しは「スパイシーチキンカレー」（１１００円）。ほおばるサイズのチキンはジューシーで柔らかく、ルーは食べ進めるとほわっと口が温かくなる辛さ。フレンチベースの〝チキンのトマト煮込み〟にスパイスを加えてカレーに仕上げた〝上品でスパイシー〟な新しいカレーだ。

　生まれ育ったこの地を選んだのは、恩返しのため。「今後は川崎の野菜を取り入れたい」と、料理と地元への愛を笑顔で語った。

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2021年9月3日公開 ｜ 2021年9月2日神奈川新聞掲載

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