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気になる 余った酒米活用し給食へ、大和市の業者 フードロス削減や地産地消学ぶ機会に

  • 2021年11月23日 神奈川新聞掲載

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サンプル用パッケージに入った、酒米で作られた(左から)ライスケーキ、桜ぼた餅、ベジタブルドーナツ

 余った酒米を活用し、地元農業を守る。大和市内の給食委託業者が、在庫となった酒蔵の酒米を買い取り、給食や弁当への提供を始めた。白米との風味や食べ応えの違いを解消させようと、試行錯誤を重ねながら新メニューも開発。地産地消やフードロス削減の取り組みにもつながり、受け入れ先も広がっている。


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 酒米を給食や弁当に提供するのは、「安田物産」(大和市深見西)。昨年、海老名市の酒蔵「泉橋酒造」に自社の65周年の記念品のお祝酒を注文した。その際、聞いたのがコロナ禍で日本酒の需要が減り、精米したものの行き所がない酒米の話だった。

 泉橋酒造では地元農家と一緒に酒米を栽培するなど地域に根差した取り組みを続けているが、昨年の日本酒の出荷は2割減。約20トンの酒米が在庫として残っていたという。


泉橋酒造(右中央)周辺に広がる田んぼ、7月撮影
泉橋酒造(右中央)周辺に広がる田んぼ、7月撮影

 安田物産は「フードロスの削減や地元生産者が作る米を食べることで食育にもつながる」と、買い取ることを決めた。

 だが、酒米をそのまま給食や弁当に提供することはできなかった。日本酒造りの際、米の表面を半分近く削ってしまうため、米自体の風味が弱くなったり、粘りけが多くなったりするからだ。安田物産は栄養士を含めたプロジェクトチームを作り、酒米にどの程度の白米を混ぜれば違和感なく食べられるか、あるいは工夫して食べてもらう方法はないかと、新たなメニュー開発に着手した。


調理風景

調理風景

 風味の弱さは、リゾットなどの濃い料理に使うと味がなじみやすく、粘りの強さはピザの生地や五平餅などにして、もちもちした食感を生かせることなどが分かってきた。


五平餅
五平餅

リンゴケーキ
リンゴケーキ

 今年8月から納入先の保育園や幼稚園に本格導入。酒米の生地を使ったケーキも開発され、小麦アレルギーの子どもでも食べられたという。10月中旬には横浜市の一部の中学校給食でも1週間提供された。生徒からは「フードロスの削減について実感を持ち学べ、貢献できることがうれしい」、学校側からも「味や品質も問題なく、環境問題や地産地消を考えるきっかけができた」などの声が寄せられた。

 こうした取り組みに、泉橋酒造の橋場友一社長(53)は「地元の農業を守っていく大きな力となる」と感謝。安田物産の安田幹仁社長(46)は「地産地消を実践するとともに、地域で支えあっていければ」と話している。



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