とれたて
リンゴ
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<リンゴ編>
- 2021年12月23日 神奈川新聞掲載

明日はクリスマスイブです。今日は、クリスマスツリーの元祖オーナメントの「リンゴ」についてお話ししたいと思います。リンゴは日本には約2千種、世界には約1万5千種あるともいわれています。リンゴの絵というと赤いリンゴが一般的に描かれますが、青いリンゴ、黄色いリンゴもあります。
リンゴの甘さをより感じるのはどちらでしょう?
A 冷蔵庫で冷やす
B 常温で置いておく
正解は、A冷蔵庫で冷やすです。
冷やすとおいしく感じる果物は、〝果糖〟が多く含まれているリンゴの他に梨、ぶどう、マンゴーなどです。みかんや柿、桃、バナナは冷やしてもさほど甘さは変わりません。果糖にはα型とβ型が存在し、冷やすことで甘みの強いβ型が多くなり、リンゴの甘みを感じられます。ただし、冷やすとしても度前後が最適で、冷蔵庫でゆっくり冷やすのがお勧めです。冷やし過ぎたり、氷水につけて急激に冷やすと舌が甘さを感じにくくなります。
リンゴポリフェノール
「リンゴは皮ごと食べるのが健康に良い」と一度は耳にしたことがあるかもしれません。それは、皮に栄養があるから、というのもご存じの方が多いと思います。
①リンゴを食べると「リンゴポリフェノール」が体内に。(リンゴポリフェノールとは、リンゴに含まれている多くの種類のポリフェノールの総称です)
②リンゴポリフェノールがヒトの細胞の代わりに酸化され、ヒトの細胞の酸化(老化)を防いでいます。
果肉部分よりも皮にポリフェノールが約4倍多く含まれるので、皮も一緒に食べましょうということになります。
ちなみにリンゴをカットして置いておくと、カットした断面が茶色く変色していくのは、ポリフェノールが空気中の酸素に触れて、酸化するからです。
栄養を摂取するには「生」の状態でないといけないのではないかと思われがちですが、加熱することで増える栄養が「ペクチン」です。リンゴを加熱することでペクチンが増加することも実証されています。ペクチンは「天然の整腸剤」とも言われている食物繊維の一種です。便秘や下痢を改善するだけでなく、コレステロール値を下げたり、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
ペクチン
リンゴを保存する時「家の中の涼しい所に」置くということはよく知られていますが、そういう場所がない場合は冷蔵庫でも保存できます。リンゴに限らず野菜や果物は収穫後も呼吸をしています。呼吸をしているので水分が抜けたり、果肉に蓄えられている糖が使用され、味が落ちたりします。
保存時は低温で呼吸量を抑え、湿度を保つのがポイントですので、リンゴを1つ1つ新聞紙に包み、ポリ袋に入れ密封して冷蔵庫で保存します。湿気が水滴となりリンゴに付着し、そこから傷むのを防ぐため、リンゴを新聞紙で包み保存します。ポリ袋に入れるのは、リンゴから発生するエチレンガスで他の野菜や果物が劣化するのを防ぐためです。

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