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苅部農園・苅部博之さんが「食品ロス」テーマに特別授業
- 苅部農園(横浜市保土ケ谷区)

社会問題化している「食品ロス」に関心を持ってもらおうと、横浜市保土ケ谷区の農家・苅部博之さん(51)が地元の小学生に特別授業を始めた。まだ食べられるのに捨てられてしまう野菜の活用法を児童たちに考えてもらい、寄せられたアイデアは市内の飲食店や福祉施設などの協力を得て具現化。循環型の仕組みを学ぶ機会に発展している。

苅部さんは10年ほど前から農業の授業に取り組んできた。「昔、父親がやっている姿を見て、授業をすることが夢であり、目標でもあった」。これまでは生産から直売までの一連の流れを実践を交えて解説してきたが、コロナ禍の需要減や豊作で野菜の価格が下落し、余剰も発生する中、「食品ロス」の問題意識を養う授業を始めようと思い立った。そして昨秋、同市立上菅田笹の丘小学校6年生を対象に初めて実施した。

「おじさんが間違えてダイコンの種を多くまいてしまいました。捨てずに食べてもらう良いアイデアはありませんか?」。苅部さんが投げ掛けた課題に対し、児童たちから「飲食店で使ってもらう」「加工品にする」といった解決案が挙がってきた。「理解を深めてもらうためにも、どうにか形にしたい」。苅部さんは取引先である「TSUBAKI食堂」(同市中区)のオーナーシェフ・椿直樹さん(54)に掛け合うと、「苅部大根定食」のメニュー化を提案され、昨年12月に提供が実現。今月も17~23日に提供される。さらに加工品については、農業分野で障害者の就労を後押しする「農福連携」に広げたいと、社会福祉法人「いずみ苗場の会つぼみの家」(同市泉区)と連携。施設利用者に切り干し大根の生産を手がけてもらうことが決まった。その切り干し大根は今後、同小学校の給食に使われるという。
苅部さんはこうした循環型の取り組みを通じて、「児童たちに国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を身近に感じてもらえたら」と話し、力強くこう続けた。「農業は地域とのつながりが深く、楽しさ、やりがいを感じられる職業。その魅力を広く発信するために授業を継続していきたい」
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住所 | 横浜市保土ケ谷区西谷町962 |
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アクセス | 相鉄線西谷駅徒歩1分
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電話 | 090(2646)4147 |
営業時間 | 月・水・金曜午後2~6時 |
公式HP | https://fresco-karube.com/fresco/ |
備考欄 | 駐車場あり |
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※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。
2022年1月14日公開 | 2022年1月13日神奈川新聞掲載
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