とれたて
キュウリ
教えて!野菜博士 おいしい野菜&フルーツの見分け方<キュウリ編>

暑くなってきました。これからの時期を乗り切るためのおすすめの野菜は、体にこもった熱を排出し、冷やす効果がある「キュウリ」です。
栄養が無いと言われることもありますが、ビタミンC、ビタミンK、カリウムなどを含み、かつ低カロリーで食物繊維も含みます。
最近、キュウリに含まれる「ホスホリパーゼ」という成分が代謝を高める効果があると分かり、注目されるようにもなりました。
〈ぬか漬け〉
キュウリは生で食べるのが一般的ですが、焼いたり、炒めたりしてもおいしいです。また、ぬか漬けにすると栄養価がとても高くなります。ぬかの栄養成分をキュウリが吸収し、生に比べカリウムは3倍、ビタミンCは1.5倍、ビタミンB1は9倍になります。
カリウムには利尿作用、ビタミンCには免疫力アップ、ビタミンB1には疲労回復の効果が期待でき、まさに夏にピッタリの食べ方といえます。
〈選び方〉
多少曲がっていても問題ありませんが、明らかに太いものや、太さが均一でないものは味も均一ではない場合が多いです。
買うならどっち?
(1)肩が張っているもの
(2)なで肩のもの
正解は(1)。肩が張っているものは、養分と水分がたっぷりと入っていておすすめです。ちなみにお尻の部分(花が咲くほう)が膨らんでいるものは、水分が下に溜まり、種も下に集まるので、す(空洞)が入りやすく、みずみずしさも失っていることが多いです。時間がたつほど両端から水分が抜け、柔らかくしなびてきます。キュウリの90%以上は水分なので、鮮度の良いものは重量感があります。北秋田市阿仁地域には「小様きゅうり」というキュウリがあり、阿仁鉱山で働く人々は、夏の暑い時期、それで水分補給をしていたそうです。
〈保存〉
水に弱いので、キッチンペーパーか新聞紙で包んで保存するとよいです。ビニール袋でもかまいませんが、その場合は密封せずに口を開いて保存します。水分を多く含んでいるので、密封した環境では放出された水分の逃げ場がなく、再びキュウリの表面に付着します。そうするとそこから腐り始めてしまいます。
急激な温度変化、特に低温(5度以下)には弱く、冷やし過ぎるとビタミンCが壊れるので、冷蔵庫の野菜室に頭を上にして立てて保存します。横にして保存すると、上に立ち上がろうとして水分と糖分を浪費してしまいます。
〈名前の由来〉
現在食べているのは未成熟果ですが、昔は熟して黄色くなってから食べていました。だから黄色の瓜→黄瓜→きうり→きゅうりとなったとも言われています。家庭菜園で育てている方は、1本収穫をせずに放置してみて下さい。大きく、まさに黄色の瓜になります。
漢字では「胡瓜」と書きますが、中国の西の方、「胡」の国から中国に入ってきた瓜ということでこう書くようになりました。
〈神奈川のキュウリ〉
相模半白節成(さがみはんじろふしなり)という神奈川県の在来種があります。皮がかたく、首の部分は緑色が濃く、下半分は白っぽい色。果肉が緻密で歯ごたえがあり、少し苦味があります。
2022年6月16日公開 | 2022年6月16日神奈川新聞掲載
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