推し
バレエ公演
Kバレエオプト、新作テーマは「プラスチック」 1月にKAAT神奈川芸術劇場で公演
- KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)

熊川哲也率いるKバレエカンパニー(東京)と複合文化施設Bunkamura(同)によるプロジェクト「Kバレエオプト」の新作が来年1月8、9の両日、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で上演される。11月に都内で開かれた制作発表会で、振付家らが環境問題をコンセプトにした公演の見どころを語った。
オリジナル作品や他ジャンルとのコラボレーションを通じてダンスの多角的な魅力に迫る同プロジェクト。今秋に開催した旗揚げ公演に次ぐ本公演のテーマを「プラスチック」とし、「ペットボトル迷宮」「ビニール傘小町」と題した2作の舞踊を上演する。
「ペットボトル迷宮」は、演出家アレッシオ・シルベストリン振り付け、演出の下、バイエルン国立バレエ団(ドイツ)のプリンシパル、ジュリアン・マッケイとKバレエのダンサーたちが共演。
三島由紀夫の戯曲「近代能楽集」の「卒塔婆小町」と太田省吾「小町風伝」を原案とする「ビニール傘小町」もKバレエのトップダンサーがそろう一作で、舞踊監督の渡辺レイが振り付けと演出を担当する。

両作の企画や構成を担う高野泰寿は「芸術が踊りだけでなく、いかに次世代の子どもたちを育て、社会に還元できるかを模索してきた」と説明。環境問題は今だからこそ描ける題材の一つとし、「中でもわれわれになじみ深いプラスチック汚染問題という観点から、ペットボトルとビニール傘をピックアップするに至った。芸術がどのように問題解決に貢献できるか考えた」と企画の経緯を語った。
ペットボトルを芸術と捉えることから創作を始めたというシルベストリンは、「ペットボトルが形を変えて体の一部になっていくさまを描きたい。オルガン楽曲を使用し、ステージそのものが呼吸するイメージを立ち上げる」といった構想を明かしつつ「皆さんの想像力をもって自由に解釈してほしい」と呼びかけた。
来日の喜びを語ったマッケイは同時に、「社会におけるさまざまな問題をいかに改善できるか、そこにスポットを当てるのはとてもいいこと。踊ることによって普段あまり考えていない事柄に光を照らすことができたらすごく幸せ」と出演の意義をかみ締めた。
見どころはパフォーマンスや作品のメッセージ性だけでなく、舞台装置にもある。ステージでは東京・表参道のリサイクルボックスで回収された1万本のペットボトルや、商業施設などに放置されたビニール傘を再利用。衣装で使用するプラスチック素材もオフィスから出た廃材を用いる。
高野は「ダンサーだけでなく、舞台に上がるまでのストーリーにも着目してもらえたら」と話し、環境問題に目を向けるきっかけとなる公演となるよう期待を込めた。
8日午後0時半・同4時半、9日同0時半の計3公演。S席9千円、A席7500円ほか。問い合わせはBunkamuraチケットセンター、電話03(3477)9999。
2022年12月21日公開 | 2022年12月21日神奈川新聞掲載
オススメ記事⇩
この記事に関連するタグ
シェア、または新聞を購入する
- LINE
- URLコピー
- 掲載日付の
新聞を買う
推しまとめ
かながわの地域ニュースなら
「カナロコ」

「神奈川」の事件・事故、話題、高校野球をはじめとするスポーツなど幅広いローカルニュースを読むなら、地元新聞が運営するニュースサイト「カナロコ」がおすすめ。電子新聞が読めたり、便利なメルマガが届く有料会員もあります!