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45年ぶり公開の初期作品も
冷蔵庫の中と外から見る時代と家庭 横浜・青葉区で「潮田登久子 写真展」
- 横浜市民ギャラリーあざみ野(同市青葉区)

生活が透けて見える冷蔵庫、街を行く人、家族-。身近な存在にカメラを向け続ける写真家、潮田登久子(82)=東京都世田谷区=の個展「潮田登久子 写真展 永遠のレッスン」が、横浜市民ギャラリーあざみ野(同市青葉区)で開かれている。
潮田は20代から活動を始め、静物を中心に端正なモノクロ写真を撮り続けてきた。会場には、45年ぶりに公開する初期作品から新作まで、60年以上にわたって手がけた六つのシリーズから選んだ165点が並ぶ。
展示の柱の一つは、自宅のスウェーデン製の冷蔵庫を撮ったことをきっかけに生まれた「冷蔵庫/ICE BOX」シリーズだ。潮田の代表作で、81年から23年間、さまざまな家庭の冷蔵庫の外観と庫内を定点観測するように撮影した。
冷蔵庫の扉には大切な書類やメモが貼られ、中には食べ物がぎっしり詰め込まれ-。冷蔵庫が大型化したり、入っている食品の様子が変わっていったりと、冷蔵庫の内外から時代や家庭の姿が見えてくる。

もう一つは、写真家の夫・島尾伸三、娘で作家のしまおまほと、かつて暮らした日々を切り取った「マイハズバンド」シリーズ。約40年前、東京都世田谷区にあった歴史ある洋館での生活を、およそ6年にわたって撮影した。夫が幼い娘を抱く姿や、生活感が色濃い室内など、家族との何げない日常を捉えた写真からは愛情があふれている。
銀座や浅草、新宿にいた男女に声をかけて撮影した、写真家としての出発点「街へ」、本の置かれている環境を切り取り、県立図書館(同市西区)の蔵書も登場する「本の景色/BIBLIOTHECA」シリーズに加え、愛用のカメラ機材や資料なども展示。潮田の創作の軌跡をたどることができる。
26日まで。入場無料。23日午後2時から担当学芸員によるギャラリートークが行われる。問い合わせは同ギャラリー、電話045(910)5656。
2023年2月22日公開 | 2023年2月20日神奈川新聞掲載
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