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グラミー受賞で注目の和楽器 横須賀で30日に尺八と箏の演奏会
- 横須賀芸術劇場(横須賀市)

古典から現代まで、邦楽の魅力がたっぷり詰まった演奏会「春に愉(たの)しむ邦楽の調べ~尺八と箏(そう)が描く『和の情景』」が30日、横須賀市の横須賀芸術劇場で開かれる。伝統音楽の枠にとらわれずに活躍する箏曲演奏家の丸田美紀と、尺八奏者の藤原道山を中心に魅力にあふれた演目が並ぶ。丸田は「若い力を取り入れながら、古典から現代へ向かう感じになった。私自身もすごく楽しみ」と話す。
公演では、箏曲家の沢井忠夫が作曲し、迫力ある箏のアンサンブルが楽しめる「独奏17弦と箏群のための『焔(ほむら)』」を、尺八が参加する編曲版で届ける。箏の群奏は、若手箏曲家LEOの師でもあるカーティス・パターソンが指導する横浜インターナショナルスクールの箏アンサンブルが担う。
「授業として箏に取り組んでいるので、力がある。県内でも学校の部活で琴を弾く人はたくさんいるが、そのまま続けていけるかどうか。ただ、最近は若い演奏家が増えた」という。
藤原は丸田との二重奏に加え、尺八で「アメイジング・グレイス」を独奏する。
今年、東京芸大大学院を修了したばかりの若手演奏家・森梓紗とは、肥後一郎作曲の「二重箏曲」を奏でる。「現代曲だが、手(奏法)は箏の古典テクニック。古典の手を大事にしつつ、リズムや遊びがある」という。
今、世界的にも和楽器に注目が集まっている。今年2月、箏や尺八、しの笛といった和楽器と米ポップミュージックを融合させた作編曲家・宅見将典のアルバム「SAKURA」が、米音楽界最高の栄誉となるグラミー賞で最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。
丸田は箏で参加し、艶やかな音色で時には楽曲をリードし、時にはさりげなく全体を支えるなど巧みな演奏で聴かせた。
「あれだけ和楽器が使われたアルバムが評価されたのは、とても意味のあること。逆輸入的な見方がされて、いい形で和楽器に光が当たるのでは」と期待を寄せた丸田。今公演についても「新しいものへ向かっていくような構成を楽しんでほしい」と笑顔を見せた。
午後2時開演。全席指定でS席3千円、A席2千円。問い合わせは同劇場、電話046(823)9999。
2023年4月6日公開 | 2023年4月3日神奈川新聞掲載
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