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第2代「プロデューサー in レジデンス」
横浜みなとみらいホールのプロデューサー就任 ピアニスト・反田恭平「テーマは新しい可能性」
- 横浜みなとみらいホール(横浜市西区)

横浜みなとみらいホール(横浜市西区)の第2代「プロデューサー in レジデンス」に、ピアニストの反田恭平(28)が就任した。2021年のショパン国際ピアノコンクールで第2位を獲得し、活躍中の反田。同ホールの開館25周年を記念する5日間連続の音楽祭など、「新しい可能性」をテーマにした取り組みを企画している。
「中学生の頃からコンクールなどで弾いてきた愛着のあるホールで仕事をさせていただけるのは、とても実のあること。どこまで通じるのかとトライさせていただくので、胸を借りる気持ちもある」と反田。
プロデューサー就任の依頼は、注目された同コンクールの前だったと明かし「素直にうれしかった」とほほ笑む。
任期は23年4月から25年3月まで。初代プロデューサーの声楽家・藤木大地は今年8月までの任期で、一緒に活動する。「藤木さんとは10年来の仲で、『こういうコンサートを開いたら面白いよね』との話を昔から横で聞いてきた。彼の意思を引き継ぎながら、僕にしかできないことをやっていきたい」と意気込む。

メインとなる企画は、開館25周年のフィナーレを飾る「横浜みなとみらいホール25周年音楽祭」だ。24年3月20日から24日まで5日間にわたり、さまざまな趣向の25公演を予定する。
反田が率いるJapan National Orchestraでの弾き振りも注目の公演となる。演奏する曲は池辺晋一郎に委嘱中の新作だ。
「ティンパニやハープなど、いろんな楽器のコンチェルトがあるが、指揮者コンチェルトがない。僕はピアノを通して、指揮者になりたいという思いを実感したので、ピアノを使ってその弾き振りをやろうと池辺さんに依頼した」
自身も作曲に関心があり、新幹線での移動中などに少しずつ書いていたという。「忙しくなって寝かせている」が、木管楽器を各2本で構成し、一つの楽章だけで成り立つ曲を考えていた。池辺にはその希望を伝えてあり、「どんな曲が出来上がってくるのか楽しみ」と期待を寄せる。
さらに、パイプオルガンの演奏にも挑戦する。ホールオルガニスト近藤岳の指導を受け、初めてのレッスンを終えた。オルガンならではの足も使った複雑な演奏に「ブラームスのコラールから少なくとも1曲は弾きたい。自分の足次第です」と笑う。ゆくゆくは、サンサーンスの交響曲第3番「オルガン付き」を弾きたいとの夢も抱く。
欧州での留学経験を踏まえ、午後8時以降の開演や、「泣かれていても(演奏に)抵抗がない」ことから乳児向けの演奏会も考えている。短時間で、気軽に遊びに来る感覚で参加できたり、「あなたのため、家族のためだけに弾く」をコンセプトにしたり、進路に悩む中学生の背中を押したりするコンサートなど、ユニークなアイデアも構想する。
「新しい可能性をテーマに、ピアニスト、指揮者目線での企画を出していきたい」と抱負を語った。
2023年5月23日公開 | 2023年5月22日神奈川新聞掲載
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