とれたて
メロン
教えて!緒方湊くん 野菜ソムリエプロに聞くおいしい野菜&フルーツの見分け方<メロン>

メロンというと茨城や熊本、北海道のイメージが強いですが、神奈川県でも三浦半島や湘南地域で栽培されています。
国の農事試験場だった新宿御苑では、1893(明治26)年ごろに加湿温室が建設され、メロンの温室栽培が始まりました。そしてその後、大正時代には静岡県でマスクメロンの温室栽培が始まりました。
マスクメロンの誕生に大きく関わったのは、施設栽培の創始者、福羽逸人(ふくばはやと)博士です。福羽博士は、1902(明治35)年に国産苺第一号の「福羽苺」を作出しました。
〈プリンスメロン登場〉当時マスクメロンは高級で、庶民にとっては高嶺の花。そこで、登場するのが「プリンスメロン」です。サカタのタネ(横浜市都筑区)が開発した網目のないノーネットメロンの品種で、値段もお手頃。大ヒットし、一時はメロン生産の7割を占めるほどの人気でした。プリンスメロンの登場で、品種改良が盛んになり、品種開発のきっかけとなりました。
私たちが「マスクメロン」と呼んでいるのは、正確には〝アールスメロン〟という品種のメロンです。「マスク」とはどのような意味でしょう?
A 果実が大きくなった時、重みで落下しないようにマスクで支えているから
B 香りがよく、ムスクの香りに似ているから
正解はB。
マスクメロンは、ムスク(オスのジャコウジカのおなかからの分泌物の匂い)の香りに似ているからです。海外から日本へ持ち込まれた際に「ムスクメロン」が「マスクメロン」になりました。
小ぶりなネット系メロンで人気の「アンデスメロン」。原産国はどこでしょう?
A 日本
B ペルー
正解はAです。
南米のアンデス山脈をイメージしますが、これも同社が開発した品種。病気に強く栽培しやすいことから、作って安心、売って安心、買って安心ということで、「安心ですメロン」という名前にする予定でしたが、これを略して「アンデスメロン」となりました。
〈家庭菜園でも〉一般的なメロンより小ぶりな食べきりサイズで、「家庭菜園でも作れる」「高級感ある外観」「本格的なおいしさ」といった条件をクリアした家庭菜園向けネットメロンが「ころたん」です。1千通りの交配をして、約10年の歳月を掛けて同社が開発しました。僕も栽培しましたが、苗1株から、800グラム~1千グラムのものが6玉収穫できました。果肉は緑色で果皮は完熟すると黄色になり、皮の際ギリギリまで食べることができました。糖度が16.5度あるにもかかわらず、くどくない甘さで後味すっきりでした。
〈夏バテにメロン〉メロンの果肉にはカリウムが多く、体内の余分なナトリウムを排出し、水分バランスを整えてくれます。またメロンの甘みは果糖、ショ糖、ブドウ糖などで構成され、体内に吸収されやすく、すぐにエネルギーに変わるので、夏バテ回復にお薦めです。
プロフィール:緒方 湊(おがた・みなと) 2008年3月生まれ。6歳で野菜づくりを始める。8歳で野菜ソムリエ、10歳で野菜ソムリエプロに合格(いずれも当時の最年少記録)。横浜DeNAベイスターズの大ファン。
2023年6月1日公開 | 2023年6月1日神奈川新聞掲載
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