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富士屋ホテルが7月15日にリニューアルオープン 待望のスパ新登場
- 富士屋ホテル(箱根町)
2020年7月14日公開

国内屈指のクラシックホテルの一つで、明治後期から20年近く外国人専用ホテルとして営業していた歴史もある箱根の富士屋ホテル。耐震補強と改修工事のため、2年余の一時休館を終え、142年目の創業記念日にあたる2020年7月15日にグランドオープンした。和洋折衷の意匠を取り入れた文化的価値のある各棟の外観や内装の趣は変えることなく、可能な限り従来の姿を復元するとともに、新たな施設も誕生した。新生・富士屋ホテルの見所を余すところなくご紹介する。
この記事の目次
1)【本館】昭和初期のフロントを再現
2)【西洋館】工事中に発見された桃色の漆喰壁
3)【花御殿】ジョン・レノンゆかりの客室も健在
4)【フォレスト・ウイング】待望の大浴場がついに登場
5)【食堂棟】繊細な天井画は京都の専門家が修復
6)【ホテル・ミュージアム】「幻の建築計画図」も展示
7)【別館 旧御用邸 菊華荘】絶景の庭園眺めながら舌鼓
▼まとめ
富士屋ホテルは、1878(明治11)年、宮ノ下に日本初の本格的なリゾートホテルとして開業。明治後期から20年近く外国人専用ホテルとして営業していた歴史もある。
社寺造りの外観が特徴的な本館をはじめ、明治期の洋風建築の西洋館、校倉(あぜくら)造りを模した花御殿など、6棟が国登録有形文化財に指定されている。チャールズ・チャプリンやヘレン・ケラーら多くの著名人に愛されてきた。


140年の節目を迎えた2018年から耐震補強と改修工事のため一時休館。142年目の創業記念日にあたる2020年7月15日にグランドオープンした。今回の改修はこれまでで最も大規模なものとなり、和洋折衷の意匠を取り入れた文化的価値のある各棟の外観や内装の趣は変えることなく、ロビーや客室を改装。本館や花御殿は、建物の柱や壁の内部に補強材を組み込んで強度を高めた上で、可能な限り従来の姿を復元した。客室は主に浴室など水回りを改修した。
一部の客室は数部屋を統合してスイートルームに変え、箱根外輪山の景色を望むスパ施設やラウンジを新設するなどして、快適性や利便性を向上させた。総客室数は改修前の148室から120室となった。
【本館】昭和初期のフロントを再現

1891(明治24)年に建てられた本館は、現存する建物の中で最も歴史があり、富士屋ホテルの「顔」だ。社寺建築を思わせる瓦ぶき屋根と唐破風(からはふ)をのせた玄関が特徴的で、1階はフロント・ロビーとラウンジ、2階は客室からなる。ロビーは昭和初めごろから1965年まで使われていたフロントの配置を再現し、かつてのラウンジも復元した。

【西洋館】工事中に発見された桃色の漆喰壁

1906(明治39)年に建築された典型的な明治期の洋館。1号館の「カムフィ・ロッジ」、2号館の「レストフル・コテージ」の2棟からなる2階建て。改修工事中に創建当時と思われる桃色の漆喰(しっくい)壁が発見され、一部の客室でその色を忠実に再現した。
【花御殿】ジョン・レノンゆかりの客室も健在

1936(昭和11)年に建築された校倉造りを模した建物。その名の通り、全ての客室に花の名前が付けられ、ドアやカギなど細部にまで花のモチーフが使われている。客室の一つ「菊の間」(ヘリテージルーム菊)は、ジョン・レノンや三島由紀夫も宿泊しており、ホテルの建物群や豊かな自然が一望できる。これまで使っていた昭和初期から中期の調度品は整備して配置。欄間の彫刻などは京都の専門家に修復を依頼した。

既存の屋内プールにはスポーツジムを併設。ホテルの歴史を紹介する史料展示室「ホテル・ミュージアム」も一新した。

【フォレスト・ウイング】待望の大浴場がついに登場

1960(昭和35)年建築。フォレスト館から名称を変更した。ホテルの敷地の高台に建ち、6階の最上階に大浴場、サウナ、エステなどがそろうスパ・リラクセーション施設を新設。大浴場の設置を望む多くの声に応えたという。大浴場の浴槽からは箱根外輪山の景色を眺めながら温泉でくつろげる。これまで通り、全客室の浴室でも温泉を堪能できる。2階には宿泊者専用ラウンジが備わり、ライブラリースペースや飲み物も自由に楽しめる。








【食堂棟】繊細な天井画は京都の専門家が修復

1930(昭和5)年建築。皇室御用達の建築家・木子幸三郎が手掛けた。1階「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」は、6メートルの天井高を誇り、その天井には日本アルプスの高山植物が636種類描かれている。欄間や柱などにもさまざまな彫刻が施され、これらは京都の専門家に修復を依頼した。歴史を重ねた重厚な雰囲気の中、さらにグレードアップしたフランス料理を味わえる。地下1階にはバーとショップを設けている。

【ホテル・ミュージアム】「幻の建築計画図」も展示

花御殿の地下1階にある史料展示室。展示スペースを約150平方メートルに広げてリニューアルした。142年前の誕生から現在までの歴史を紹介し、昭和天皇をはじめとする皇室ゆかりの品々や国内外の著名人の写真とサイン、1885(明治18)年以降の宿帳などを展示。今回の改修工事中に見つかった「幻の建築計画図」や食堂天井画の原画など貴重な史料も仲間入りした。
【別館 旧御用邸 菊華荘】絶景の庭園眺めながら舌鼓

1895(明治28)年に皇室の御用邸として建てられた別館。純日本建築や庭園をめでながら、旬の食材を織り込んだ日本料理を堪能できる。


富士屋ホテル
住所 | 箱根町宮ノ下359 |
---|---|
アクセス | 箱根登山鉄道宮ノ下駅徒歩7分。小田原駅からバスでホテル前下車
|
電話 | 0460(82)2211 |
[おことわり]この情報は新聞掲載日時点での情報です。掲載日以降、内容に変更が生じる場合がありますのでご了承ください。
まとめ
いかがでしたか? 格調高い伝統を未来に必ずつなぐのだという強い意志を感じる富士屋ホテルのリニューアル。一方で新しい時代のニーズもくみとり、「変わらない良さ」と「変わった良さ」の双方を堪能できるのはとても魅力的です。女性にうれしいスポットも多いので、少々お値段は張りますが、ぷち贅沢な旅行にもってこいではないでしょうか。
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